
「たかがグラマーされどグラマー」
文法(グラマー(grammer))は英語のリーディング・ライティング(R&W)のみならず、リスニング・スピーキング(L&S)でも上達の鍵を握っています。
この記事では、日々の英会話でつまずきやすい「動詞句における目的語の位置」を中心にまとめています。
「take it outそれともtake out it?」
気になった方は、ぜひ、ご覧ください。
動詞句(phrasal verbs)は動詞+副詞
まずは動詞句から復習していきましょう。
動詞句(phrasal verbs)とは、動詞と副詞からなる句です。
例えば、put on、take offなど、日々の英会話では多く登場します。
動詞句(phrasal verbs)における動詞は無数にありますが、副詞はある程度限られています。
よく使われる副詞は以下の通りです。
- at
- in-out/away
- on-off
- up-down
- around/round
- over

動詞句にはいくつかポイントがありますので、ついでにみてみましょう。
ポイント1.言葉の意味は「動詞+副詞」で頭にいれておく
動詞句の意味は、構成要素である動詞・副詞単独をみても、想像しにくいものが多いです。
1つ例を見てみましょう。
- I took my clothes off
これは「服を脱いだ」という表現ですが、takeだけoffだけを見ても「脱ぐ」という意味に辿り着きにくいと思います。
takeとoffを組み合わせて考えると、take(取る)+off(離す)=取り離す=脱ぐと連想できますが、日々の英会話は流れるように進んでいきますので、その都度連想している時間はありません。
ですから、動詞句は予め動詞・副詞と意味を結びつけて覚えておく、例えば「take off」と言う言葉と「脱ぐ」という動作を結びつけておくことが、英会話の上達には欠かせません。
ポイント2.動詞句は一般的にカジュアルな表現
一般的な傾向として、動詞句はカジュアルな表現になります。
具体的な例を見てみましょう。
- produce it
- bring it out
はいずれも「つくる」という意味になりますが、produceの方がフォーマルな表現になります。
動詞句は比較的平易な動詞と副詞の組み合わせである一方、動詞単独の場合は、難しい単語でややかたい印象を受けることが、上の例を見てもわかります。
ポイント3.動詞句と句動詞は「別モノ」
動詞句(phrasal verbs)ではなく句動詞(verb phrases)は別物です。
その違いは以下の通り。
- 動詞句(phrasal verbs)ー動詞+副詞
- 句動詞(verb phrases)ー動詞が2つ以上連なったもの
句動詞の例を示します。
- I will play as a professional tennis player
- I have been to Japan
この記事はあくまで動詞句(phrasal verbs)を取り上げたものになります。

目的語の位置は「長さ」が決めて

さて、この記事の本題です。
動詞句は、多くの場合、目的語(an object)をとりますが、
「目的語をどこにおくか(どのタイミングで目的語を伝えるか)」
にはある程度のルールがあります。
これを知っておくことで、目的語と副詞の位置関係に迷うことなく表現できるようになるでしょう。
1.「人」や「もの」を指す人称代名詞ー副詞の「前」
「人」や「もの」を指す人称代名詞とは、
- me, you, him, us, it, themなど
です。
この場合、副詞の前、すなわち、動詞と副詞の間に目的語をおく決まりになっています。
例えば、
take it out
がそれです。
目的語が1単語の場合、短いため、間に入れても動詞句の意味を取り違えることは少ないでしょう。

2.長い目的語ー副詞の「後」
目的語が長い場合は、副詞の後に置きます。
例えを見てみましょう。
- take out the clothes I used to wear when I was young
このような長い目的語を副詞の後におくことは、コミュニケーションをする上でも非常に重要です。
なぜかというと、先のポイント1.で述べているように、動詞句は「動詞+副詞」の組み合わせで初めて意味が伝わるからです(動詞、副詞それぞれ単独では本意が伝わらない)。
長い目的語が下の例のように動詞と副詞との間に入ってしまうと、
- take the clothes I used to wear when I was young out
outに辿り着くまで、動詞が何を表現したいのか、聞き手には分かりません。
その上、目的語も長いので、結果として、聞き手に内容が伝わりにくくなってしまいます。
ですから、「目的語が長い場合は、副詞の後に置く」ということは、非常に合理的な表現であると言えるでしょう。
3.それ以外(目的語が2〜3語で構成)ー前でも後でもOK
目的語が2〜3語で構成されている場合は、副詞の前でも後でもOKです。
例えば、
- take out the garbage
- take the garbage out
です。
このような1単語でも長くもない目的語について「どちらでもOK」というのは、あまり説明されることがないため、意外と盲点になっています。



